借りる際にしっかり利用内容の確認をしておけばトラブル巻き込まれることは少ないのですが、それでも巻き込まれてしまう場合があります。
そして、その時の対応次第では事後に得られる結果がだいぶ変わってきます。
この項目はそういった場合の対応方法のアドバイスになればと思います。
良くあるトラブルと対応方法
知らずにアップグレードされていた
借出し時に車種のアップグレードを勧めるのはアメリカのレンタカースタイルで、契約手続き中に当たり前のようにアップグレードするかを聞いてきます。
その為、知らずに「YES」と返答を続けていると有料のアップグレードをしてしまっていることもあります。
また、「サービス」という言葉は勘違いしやすく、「サービス = 無料」ではなく、有料の場合もあり、日本のサービスにあたる英語は「COMPLIMENTARY(コンプリメンタリー)」といいます。
契約する際に追加料金がないかを確認するのがまず第一ですが、明らかに予約したサイズと違うクラスの車である場合「サービスって言ってたから無料かな?」と都合よく考えるのではなく、契約書の料金を再確認しその時点でカウンターに引き返してアップグレードを希望していない旨伝えてください。
契約書に署名がある以上、利用した後では何にも文句は言えません。
希望しない保険・オプションに加入した。
アメリカのレンタカーカウンターの係員は、保険の加入やオプションの利用をすすめてきます。
残念なことに、必ず入らなければならないもので無くても「必ず入らなければならい」といわれる場合もあります。後からクレームをする際も「そう言われた!」といっても何も証拠はないので対応してもらえません。もし、「必ず入らなければ」と言われた場合は係員に契約書にメモ書きでその旨書いてもらうようにしてください。
希望しない保険やオプションに加入していた場合は、見てわかる車種のアップグレードと違い気づきにくいです。しかし、契約書にはしっかりと金額や加入した保険の名前が記載されていますのでレンタカー利用前に書面上で確認してください。
レンタカー利用後に保険を希望していなかったと伝えても、逆に、自分がずるいことをしようと疑われてしまう可能性があります。
カウンターに行ったら車がないと言われた。
前の客が無断で延長している時などに予定していた車が返却されず、ごくまれに「車がない」といわれる場合があります。
これはあってはならない事態なのですが、そういう場合は、通常は無料で「1つ上のクラス」の車を出してもらえます。しかし、現地の状況でだいぶ上のグレードの車しか残っていない場合があります。
こういった場合「予約していた車は1時間待たなければならないが、もしアップグレードするなら1日$XXでこんな車に乗れるよ」などと言われる場合があります。
私ならその現場でごたごたするより、「待たなければ無料で乗れる車が無いなら、一番安く乗れる車に乗る」とお願いし、係員に手書きで「予約の車がなく、その時点で追加料金が一番安く乗れる車に有料でアップグレードして出しました」と書いてもらいます。
たぶん、係員に拒否されるというか「こいつはやっかいだ」と思われ、無料で上のクラスを出してもらえる可能性もあります。もし有料で貸し出されたら、利用後にレンタカーの予約を取った会社に連絡しましょう。書面があれば、アップグレード代金は返金してもらえると思います。
「その時点で追加料金が一番安く乗れる車」というのがミソで、過剰に上のグレードを借りると、ある程度は自分で負担しなければならなくなる可能性があります。
車が汚い
窓のしずくがきれいに拭き取れていない等はもう仕方がありません。しかし、日本では「え?」と思うような車があてがわれることもあります。あまりにも汚れがひどい場合は必ずその場で車を代えてもらってください。ほとんどの場合は代えてくれます。
ただ、手続きに少し時間がかかるかもしれません。しかし、そこで車を乗りだしてしまったら本人も納得して車を借りたということになってしまいます。
万が一「車を代えたかったら有料でアップグレード」と言われたら、その汚い車を写真かビデオにおさめてください。後で車両が特定できるようにナンバープレートも撮っておいてください。
そして「追加料金が一番安く乗れる車に有料でアップグレード」してください。係員に一筆書いてもらうとさらに良いです。これは、「汚い」の判断基準がよっぽどずれていない限りは後から対応してもらえると思います。
とはいえ、日本の基準とは違うので、シートの小さいシミ程度や、センターコンソールなどのホコリが拭き取れていないくらいは大目に見てあげてください。
店員の態度が悪い・サービスが満足いかない場合
一番有効な対処は英語が苦手であってもその場で主張することです。
営業所の責任の範囲で返却時に数十ドルくらいは割引をしてもらえる可能性はあります。事後では金銭的な価値がつけづらく「以後、気をつけます」程度の対応以外は難しいです。
後から伝える場合は、あくまでも「こういうことがありました」という報告程度しかできない可能性があると考慮しておくべきです(もちろん、ケースによってはしっかり対応してもらえる場合もあります)。
アドバイス
余計なアップグレードや保険・オプションの加入を避けるために私がおすすめするのは、契約時に契約内容・料金の確認だけではなく、ホテルに戻ったらその日の内に契約内容を再確認することです。
これはカウンターでトラブルがなかったとしても習慣づけておくと余計なトラブルに巻き込まれる事を減らせます。
契約書の内容を予約確認書と照らし合わせて見直すということで、落ち着いて内容の確認ができると思います。例えば、その時点で契約内容と違うことがわかれば、営業所に出向く、もしくは各社の日本語ヘルプラインに電話で保険・オプションが必要なかった事を伝えれば、最悪の場合でも必要のないアップグレードや保険・オプションに対する追加料金は最初の1日分で済みます。
契約書が間違ってる可能性があるなどと都合よく理解したり、後で言えばいいやと簡単な気持ちで数日使ってしまうと、痛い目にあいます。
最後に
上記はあくまでも、アメリカのレンタカーでよく聞く話に、「私ならどう対応するか」ということを簡単にまとめてみました。参考になればと思います。
コツとしては「怒って騒ぎ立てる」のではなく、「スマートに笑顔」で、逆に係員に「手間をかけてごめんね」という具合にお願いした方がうまい具合に事は進むと思います。
また、証拠が残っていても、日本に帰ってからの事後の対応は非常に時間がかかります。そして納得のいく結果が得られないこともあります。
契約時にしっかりと内容を確認することが、トラブルを最小限に抑えるコツです。