レンタカーの用語で一番分かりづらく、加入料金も高いのが保険です。ただ実際は覚えておくことは非常にシンプルです。
ここではアメリカの一般的なレンタカーの保険の説明をします。
スポンサーリンク
保険の種類を知る
保険の種類を知るには、まず、レンタカーを借りるうえでどういうリスクが伴うかを考えると、わかりやすいと思います。
- 借りてる車のダメージをカバー ⇒ 自車両損害補償保険
- 相手の車のダメージ・相手の怪我・死亡をカバー ⇒ 自動車損害賠償保険
- 相手の車のダメージ・相手の怪我・死亡をカバーの補償額の引き上げ ⇒ 追加自動車損害賠償保険
- 搭乗者、同乗者の怪我・死亡をカバー ⇒ 搭乗者障害保険
- 車内の携行品の盗難 ⇒ 所持品盗難保険
- 救急車手配・搬送費、レンタル期間中の病気のカバー ⇒ 緊急医療保険
- 事故した相手が無保険者の場合のカバー ⇒ 無保険者傷害保険
各種保険の概要
ここでは、各保険の種類について詳しく説明します。
自車両損害補償保険
名前は難しいですが、要するに、借りている車に何かあった際の修理代金をカバーするものです。
ハワイ・アメリカ本土では免責額がゼロの場合が多いので、自車両損害補償保険に加入していれば、万が一、車を大破させてしまっても、後から請求が来ることはありません。
この保険は各社 CDWやLDWという呼び方をしています。
自動車損害賠償保険
これは対人・対物の保険です。
事故の際、相手の車の修理や、怪我・死亡等の補償です。ほとんどの会社はLPと呼んでいます。この保険は契約書類には特に記載がなく、現地係員がLPのことを知らない人もいます。
ハワイ
今まではどのレンタカープランにもに必ず含まれる必要最低限の保険でしたが、最近ではLPを取り扱っていないレンタカー会社もあります。その場合は、対人・対物に対するの補償は一切ありません。
LPの補償額の目安(ハワイ):
- 対人補償:US$20,000
- 対物補償:US$40,000
アメリカ本土
レンタルプランにこの保険が含まれているものでも、州によっては用意がない場合があります。これは、レンタカー会社によってどの州が対象になるかが異なるので、借りる前に確認することをお勧めします。
ハワイで借りるにしても、アメリカ本土で借りるにしても、いずれにしろこのLPの補償金額はかなり低いレベルです。私は(LPの設定がない会社は特に)追加自動車損害賠償保険の加入をお勧めします。
追加自動車損害賠償保険
対人・対物の保険です。
上記LP(自動車損害賠償保険)では、補償の額が低いので、その補償限度額を引き上げます。目安としては対人・対物の補償が$1,000,000~2,000,000程になります。
会社によって呼び名は違うのですが、日本語では「追加の対人対物補償」といえば通じます。英語では「Additional liability」や「Supplemental Liability」といえば通じます。
大手各社の呼び名は下記のとおりです。
- ハーツ:LIS
- エイビス:ALI
- バジェット:SLI
- アラモ:EP
- ダラー:SLI
搭乗者障害保険/所持品盗難保険(携行品保険)
会社によっては「搭乗者傷害および携行品保険」となっており、下記搭乗者の保険に含まれる場合があります。
搭乗者障害保険
これは運転者や、同乗者の事故による怪我や死亡の補償になります。会社によっては救急車費用も$100前後まで補償してくれる場合も有ります。
所持品盗難保険(携行品保険)
上記搭乗者傷害保険とセットになっていることがほとんどです。
車中に置いていた荷物が盗難にあった際等の補償です。例えばスマホを盗まれたり、買い物したものを盗まれたりと、そういったものの補償になりますが、割引券や金券、コンタクトレンズ、生鮮食品などは対象外となる場合も有ります。
大手各社の呼び名は下記のとおりです。
- ハーツ:PAI/PEC 搭乗者傷害保険/携行品保険
- エイビス: PAI 搭乗者障害保険 – PEP/PEB 手荷物保険
- バジェット:PAE 搭乗者傷害及び携行品保険
- ダラー:PPP 搭乗者障害保険・所持品盗難保険
- アラモ:PAI/PEC 個人傷害・個人所持品保険
緊急医療保険
レンタカー利用期間中に事故以外で治療にかかった医療費の保険です。
例えば風邪で病院に行った場合にも適用されます。しかし、免責額が$100前後かかります。また、救急車を呼んだ場合などの救急車費用にも利用できます。各社ESPと呼ぶのが一般的です。
無保険者傷害保険
相手に事故の過失があるが、事故相手が保険に加入していない場合等に適用されます。一般的にUMPと呼ばれています。
何の保険に入れば良い?
まず、自分の車をプロテクトする自車両損害補償保険(CDW/LDW)は必須です。そのため、日本から予約する場合はどのプランにもCDW/LDWが入っている場合が多いです。
また、各社呼び名が色々異なりますが追加自動車損害賠償保険と呼ばれる対人対物の補償額を引き上げる保険は入っていた方が良いです。
アメリカの場合、他人を巻き込んだ事故の場合は計り知れない金額を請求される可能性もあるので、入っていた方が絶対に良いです。
と、この2つの保険に入ると、結果的に各社が用意しているフルカバーの保険が付いたパッケージプランの方が安いことがほとんどです。そして、金額的に保険の内容的にも私はこのフルカバーのプランをおすすめします。
注意事項
よく、クレジットカードについている保険があるので、「レンタカーの保険に加入しなくても平気かな?」という質問があります。
これは一概には言い切れないのですが、クレジットカード会社の保険ではレンタカーはカバーできない場合がほとんどです。もし、レンタカー会社からの保険を希望しない場合は、海外旅行保険で「レンタカー特約」を用意している会社を選ぶ必要があります。
さらに、日本でも同じですが、保険は運転者が故意に事故を起こしたり、飲酒運転などの違法な運転をした場合には適用されません。また、借出時に登録をされていない運転者が運転していた場合も、保険は適用されません。ルールを守って運転しましょう。
そして、最後に、レンタカー会社の保険を使う際は、手続きは基本的には自分でする必要があります。
最後に
保険に入るか入らないかで、旅費の中でレンタカーの金額が占める割合も変わってくると思いますが、それでも加入しておいた安心です。
日本で良く運転されている方であれば、アメリカの運転も直ぐに慣れるし「保険は必要なかったかな?」と思ってしまう方もいると思いますが、もし万が一何か起こったらを考えてみてください。
海外での事故処理の手間に加えて多額の費用が掛かるのは辛いです。保険の加入を少しでも迷ったら、加入しておくことをおすすめします。