最近ではアメリカのレンタカーを予約するための格安レンタカー比較・予約サイトも日本語化が進み、直接レンタカー会社のサイトからでなくてもアメリカのレンタカーの予約が可能になりました。
今日は、そこで格安レンタカーサイトと直接レンタカー会社の予約サイトから予約を取る場合の比較や、注意点を上げてみたいと思います。
検証するために見たレンタカー会社
この記事を作成に当たり確認した格安レンタカーサイトは、プライスライングループ系のレンタルカーズドットコム(rentalcars.com)、カヤック(Kayak.com)、そして、Expedia系のエクスペディア(expedia.com)、カーレンタルスドットコム(carrentals.com)です。
そして、日本に窓口のあるレンタカー会社のハーツ、ダラー、アラモ、エイビス、バジェットの5社です。
値段を比較するための車種クラスは全てエコノミークラスで、文章中に車種クラスを特定して書いていない値段はエコノミークラスの物になります。また、参考にしたロケーションはロサンゼルス空港です。
格安レンタカーサイトは本当に格安?
そこまで破格ではないことがほとんどです。
実際に表示されている金額だけを比べてみると、格安レンタカーサイトではエコノミークラスが1日10ドル等、破格に感じてしまいます。
それに対して、レンタカー会社の日本語サイトから予約を取る場合は、安いものでもベーシックな車両保険がついてくるので1日40ドル等、格安レンタカーサイトに比べて金額は高いです。
しかし、車体の料金だけを単純比較するために、レンタカー会社のアメリカのサイト(hertz.com、dollar.com、alamo.com、avis.com、budget.com)で車だけの価格を比べると、あまり金額が変わらないことがほとんどです。
レンタカー会社は、格安のレンタカーサイトへ特別に安い料金を提供しているわけではないことがわかります。
ただ、ここまではあくまでも車体価格の参考までにという事で、実際に日本からレンタカーをする場合は保険も必要になってくるので、保険も含めて比較していきます。
格安レンタカーサイトの保険は?
格安レンタカーサイトは自社で保険を安く販売し、直接レンタカー会社から予約をするより安くできるようにしています。
格安レンタカーサイトが用意する保険の内容
格安レンタカーサイトが用意する保険はCDW(自車両損害補償)の保険のみです。対人や対物等をカバーする自動車損害賠償保険等が必要な場合は、結局レンタカー会社からレンタルカウンターで購入する必要があります。
格安レンタカーサイトが販売するCDW(自車両損害補償)の値段は1日当たり10ドル前後で、これ自体は金額的にとても安いです。
普通はレンタカー会社からCDWに申し込みをすると、エコノミーなど小さいタイプの車の場合は1日11ドルの場合もありますが、車種が大きくなるにつれて、1日30ドル以上する場合等もあります。また、どの車種クラスでも一律で、1日25ドルという場合等もあります。この辺はレンタカー会社によって内容が異なります。
しかし、この格安レンタカーサイトのCDWには3つの注意点があります。
1.保険額が十分でない場合も
格安レンタカーサイトの保険は大体4~5万ドルの補償額です。
通常はエコノミータイプの車で4~5万ドルもあれば十分です。しかし、現地で予約の車種がなく、自動的に上のグレードの車にアップグレードされた場合や、この保険の上限を考えずに、たまたま安く高級車にアップグレードできるからと言って、アップグレードしてしまうと、保険では賄いきれなくなる場合があります。
2. 保険はレンタル日数ではなく利用する実日数
アメリカのレンタカーは通常24時間単位です。今日の10時に借りたら明日の10時までが1日という計算です。そのため、1日のレンタルの場合は保険の金額も1日分です。
しかし、格安レンタカーサイトの保険は利用する実日数に対してかかる場合があります。今日借りて明日返す場合は2日間にまたがるので、24時間利用でも2日間分の保険がかかります。長期にわたるレンタルの場合は1日分しか変わらないものの、1日のレンタルなどでは金額に大きく影響が出てきます。
3. 現地で借りるときのトラブル
この格安レンタカーサイトが提供する保険の情報は現地のレンタカーカウンターには伝わっていません。その為、カウンターで保険を進められる場合があるかもしれません。
自分では保険に入っているつもりでも、現地のカウンターの係員にきっぱりと「入っていません」と言われると、自信がなくなり2重で支払う結果になるかもしれません。この場合、払ってしまったお金はどちらからも返ってきません。
そして、前途の「保険の表記問題」があったため、よく間違えてしまう方が多いようなので、念のためですが、格安レンタカーサイトが販売している保険は車両保険のみで、対人・対物には適用されません。対人対物の保険を希望の場合は追加の自動車損害賠償保険に必ず入るようにしてください。
保険の詳しい内容については、下記の記事をご覧ください。
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*保険の表記の誤解について
以前(ごくごくつい最近)までは、Rentalcars.comはフルプロテクションという表記でCDW(車両損害補償)を販売しておりました。この保険は実際にはレンタカーにまつわるフルプロテクションではなく、自身が利用するレンタカーの車両をフルプロテクトするという意味で、ただの車両保険です。そのため、対人・対物には一切補償がなされません。
これにより、Rentalcars.comから予約するとフルプロテクションが1日当たり10ドル前後なのに対し、レンタカー会社の保険はフルカバーにすると50ドル以上して「レンタカー会社の保険はすごく高い」という印象受けていた方もいると思います。
しかし、本日Rentalcars.comを確認したところ、予約時の保険の表記が「フルプロテクション」から「CDW(車両損害補償)」と表記が変わっていたので、この点に関しては改善されているようです。
ただ、Rentalcars.comの保険の詳細のページではまだフルプロテクションと表記されているので、誤解の無いようにご注意ください。
その他の格安レンタカーサイトではそのようなことは今のところ無いようです。
総合的な料金の比較
格安レンタカーサイトでは、借りる日にちとレンタル日数によっては、エコノミークラスの車体料金が1日当たり10ドルを切るので、CDW(車両保険)をあわせても1日当たりのレンタカーの合計金額が30ドルを切ります。
と言っても、この例はちょっと破格で、サンプルのロサンゼルス空港の大手レンタカー会社で1日10ドルを切るレベルの値段は特定の日でしか見つけることはでき無いと思います。1日のレンタルの場合、だいたい20ドル前後のレンタカーに車両保険と税金をつけて合計が50ドル弱になると思います。
それに対して、日本に窓口のあるレンタカー会社から予約をすると、車両保険のみ付いてくるベーシックなプランは1日40ドル前後(税抜き)します。1週間のレンタルでは150ドル前後(税抜き)と少し割安になりますが、金額の単純比較では、税金を考慮すると格安レンタカーサイトの方が安いレンタカーを見つけられる可能性はあります。
レンタカー会社からの予約と他の違いは?
格安レンタカーサイトで予約をする場合と直接レンタカー会社で予約をするのでは、アフターサービスが異なります。
レンタカーで何かトラブルがあった際、まず予約をとったところにトラブルを報告します。
「格安レンタカーサイトのカスタマーサービスが悪い」とか、「直接レンタカー会社にクレームすればなんでも聞き入れてもらえる」という事はではありません。
ただ、第三者の会社を通すより、直接サービスを受けた会社に対応してもらう方が話はスムーズに進みます。ただでさえ外国の会社なので問題解決には時間がかかるところを、第三者を通すとなるとさらに時間がかかります。
日本に窓口のあるレンタカー会社は特にその辺に厳しく、格安レンタカーサイト上にカスタマーサービスはレンタカー会社が対応するようなことが記載してある場合でも、その場合はアメリカの本社に直接話をするように促されてしまう場合もあります(その場合がほとんどです)。
この場合、英語ができる人にとっては話が早いかもしれませんが、英語がわからないとどうしようもなくなってしまいます。
格安レンタカーサイトでも日本語カスタマーサービスがある場所もありますが、最終的には英語での対応を余儀なくされる場合もあります。
アメリカのレンタカーを進める私にとっては悲しいことですが、海外レンタカーでのトラブルは意外と多く(ネットで検索してもらえば分かると思いますが)、万が一の時のためにこういったアフターサービスも保険と同じで重要になってきます。
総合的な見解
本当に本当の最安値を探して、「1ドルでも安いレンタカーを探す」という場合に、格安レンタカーサイトで検索するのもアリだと思います。
1日30ドル以下の安いレンタカーはレンタカー会社の日本の窓口では販売していないので、日本の窓口を通すより格安レンタカーサイトで予約をとるべきです。
ただ、1ドルでも安く取ろうというのでなければ、もしくは、格安レンタカーサイトの値段が車両保険を含めて1日50ドル前後/1週間200ドル前後であれば、私は日本に窓口のあるレンタカー会社から予約をとる方が良いと思います。
そして、上記はとりあえず車両保険のみでレンタカーをする場合の最安値の金額でレンタカーを比較していましたが、事故等を起こした時に最も怖いのが、対人や対物に対する損害賠償です。自分の運転する車の補償金額は有限ですが、相手のケガや器物破損の補償はいくらになるか分かりません。
その為、私は対人対物の保険への加入を強くお勧めし、日本に窓口のあるレンタカー会社にはこの対人対物の自動車損害賠償保険(1日約15ドル)も含まれたフルカバレッジのプランがあります。
このプランには搭乗者のケガの保険や返却時にガソリンを空で返せるという特典もついていて、1日80ドル前後なので、保険を厚くする場合は、結果的に最もお得なレンタカーになると思います。
最後に
この記事を書こう考えた当初は「レンタカーは必ず公式サイトから予約」という思いで文章を書こうと考えていましたが(結果的にそういう内容ですが)、数年前に比べて、格安レンタカーサイトもクオリティーが上がっているというのを実感した面もあります。
そして、私自身格安レンタカーサイトも見る事があるのも事実です。
それは、アメリカに住んでいて自家用車の保険がレンタカーにも利用できる場合は、単純に車だけの金額が安いものを見つけるのに一番簡単な方法だからです
アメリカのレンタカーの値段は常に変動しており、例えば、昨日はバジェットが1日9ドルでレンタカーを出していたが、今日は20ドル。逆に、ダラーが昨日は20ドルだったが今日は10ドルなどという事があります。金額の動きが不規則なので、そういうのを一括で検索するには便利です。
ただ、その後、私はレンタカー会社から直接予約を取っているというのも事実です。